05 彼女との出会い、そして失恋へ

社会人になり、仕事を覚え、仕事に励む20代。仕事を通じてたくさんの人と出会い、そしてそれが、自分自身の成長につながりました。学生時代は、どこか自分の殻に閉じこもって、自分らしらを出せずにいましたが、社会人になり、仲間ができ、仕事で結果を残せるようになったことで、少しずつ自分に自信も付き、自分らしさというものを出せるようになって来ました。

彼女に出会ったのは、30代前半のこと。同じ部署で働くことになったのです。最初の印象としては、はっきりと強そうで、仕事ができそうな感じ。仲良くなったきっかけは彼女からでした。社交的で誰かれ仲良くなるのがうまい人なので、何かがきっかけで私に話かけてくれるようになりました。イメージとは違い、なんだか面白い人だなという印象でした。それから、毎日のようにランチに行ったり、一緒に帰ったり、たまに飲みに行ったり…仲が良くなるのにあまり時間はかからなかったです。とても気が合う、感覚が似ている、そして、一緒にいると子供の頃のように素直な自分でいれるような、なんだか本当に楽しい…すごく仲良くなれそうな人と出会えたな、そんな面持ちでした。

でももうその頃には、私は彼女を好きになっていたのだと思います。彼女に会社で会えるのが、話せるのが、嬉しい毎日、なんだかエネルギーが出てくる。彼女を意識する、目で追っている…そんな恋をしている自分に気づきます。「まさか、また、私は…」。20代前半までの苦い経験から遠ざかっていたその頃、30代になり、また同性を好きになるという経験をするとは到底思ってもいなかったこと。きっとまた辛い思いをしてしまう…過去の辛い経験が頭をよぎり、そう戸惑いを覚えました。けれども私は彼女を好きになってしまった…。

結局その当時、彼女と同じ部署で一緒に働いたのは、1年ぐらいのことでした。仲良くなって半年ぐらいのこと。彼女は別の部署に異動してしまったのです。完全に環境が変わってしまった、もう遠い存在になってしまう、内心、そう思って複雑な気持ちでした。環境の変化や彼女の状況から、私は、彼女への気持ちをおさめることに決めました。これは忘れろということなんだ、そう自分に言い聞かせて…。彼女に恋をして、まだ好きな気持ちが生々しく残る、そんな、短い半年間。

それから、私は、その向けられなかった思いを、辛さを、何かを忘れようと、仕事に邁進するようになります。その甲斐もあり、苦労を乗り越えた末に、今までにない最高の成果を出すことができたのです。自分がやりたい仕事に対して、自分の足跡を残せた、そんな達成感を感じられた数年間がありました。後にも先にも、何かのために、あんなに働いた日々はなかったと思うのです。

そんな中で、彼女とは互いに環境が違えど、連絡のやり取りは続いていました。彼女と離れて1年ぐらい経った頃のことですが、それから時々、彼女の家に遊びに行くようになります。それがまた楽しく、そして、せつなく…私は、まだ彼女のことが好きだったのです。

次第に、自分の気持ちに嘘がつけなくなるくらい、彼女への気持ちが高まって行きました。このまま、友人として仲が良い関係は辛すぎる、そして想いを伝えたい、そう思いが募るようになります。そして、ついに、私は彼女に告白をしました、とにかく気持ちだけ伝えるために。それは同時に、同性を好きになる自分を打ち明けることでもありました。彼女と出会って、好きになって、3年後(今から4年前)のことでした。

想いを伝えるラインを送る手が震えました、どう返ってくるんだろうという不安…。彼女からは「ありがとう、変じゃない」まず冒頭にそんな返信だったのです。もちろんかといって受け入れるという内容ではなかっただけれど。初めて自分の性に対して、理解をしてもらえた有難さ、そんな彼女だから私は好きになったんだという思い、そして、失恋をしました。とにかく気持ちを伝えたかった…もうそれだけで精一杯でした。泣いて、泣いて、泣いて、ひたすら、泣きました…。

その当時は、彼女への失恋、家族の死別、その後、仕事は多忙を極めて行きました。仕事の過労が原因でしたが、その最中で色々な悲しみ、ストレスが重なり、体と心は悲鳴を上げていました。とうとう私は、エネルギーが枯渇した状態になりました…。その後の数年は、精神的にも調子が悪いしんどい時間が流れました。もう、彼女への気持ちも忘れたい、距離を置こう、会うこと、連絡を取り合うことを減らして行こう…と。

それから次第に気持ちが落ち着き、彼女を好きだったこと、告白したことは、過去の大事な思い出になって行きました。時間の経過と環境の変化が、失恋の傷、彼女への想いをやわらげ、彼女とも普通に接することができるようになりました。また、彼女も有難いことに、私に対して今までと同じように接してくれました。

その後も、お互いの環境が違えど、付き合いが切れるようで切れない関係は数年続いて行きました。そして再び、近い距離になったのは今年に入ってからのことです。

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